創設者の思い
私は30年にわたり、整形外科医として障害児医療に携わってきました。
その間大勢の肢体不自由の患者さん、運動発達のゆっくりな子どもたちを診察するとともに、子どもたちを取り巻く環境の変化を感じてきました。
放課後等デイサービスや訪問リハビリなど、ここ10年くらいで普及してきた制度の中、子どもたちがそれらのサービスを受けているときに実際に骨折したり、窒息して亡くなったりしています。
また子どもたちにとってよくない姿勢、股関節脱臼や側弯症などの二次障害を悪化させる姿勢を取らせていたり、よくない取り組みを行っていたりすることを現場で見て、私は強い危機感を感じてきました。
実際に関わっているスタッフさんは皆とても愛情にあふれ、子どもたちを一生懸命療育しているのに、なぜこんなことが起きているのでしょう。
以前は障害児者のお世話は、家族か小児専門のPT・OT、支援学校の先生など、その子どものことや障害に詳しい人だけが携わっていましたが、近年のデイサービス・訪問リハなどの制度の普及によってあまり知識のない人たちが障害児者を対象とする仕事に携わるようになったことが原因ではないでしょうか。
その急激な社会の変化に、実際に働くスタッフの知識や経験が追いついていないのだと感じたのです。近年、発達障害についての講座はたくさん開催され、学ぶ機会は数多くあります。
しかし身体障害、肢体不自由について系統立てて学べる機会は皆無と言っていいでしょう。
肢体不自由についての知識を広めることは、身体に障害のある子どもたちを守るために最も大切なことだと思うのです。それを行うのは、30年間、様々な障がいの子どもたちを診察させていただき、子どもたちの成長を見届けてきた自分しかいない。そう思い、HHCAを立ち上げました。
私の思いはきっとたくさんの保護者の声であり、子どもたちの声であると信じています。
HHCAを通して、クリニックの患者さんだけでなく、自分の手の届かない子どもたちにとっても安全で幸せな社会を作る一助になることを願ってやみません。
最後に、このホームページを訪れてくださったすべての方々に、心から感謝いたします。
2020年3月
医療法人TRC たわだリハビリクリニック
多和田 忍
・発達障害について、学ぶ場所はたくさんあるのに、からだに障がいのある子どもたちについて学ぶ場がほとんどありません。
・また、放課後等デイサービスや訪問リハビリの最中に、からだの障がい児の骨折や窒息など、事故が多発しています。
・こどもたちが将来、関節の脱臼や側弯症など、二次障害のもとになる姿勢を平気でとらせている現場は数えきれません。
HHCAでは、肢体不自由の子どもたちについて、誰にでもわかりやすく、その特徴や基本的な知識・扱い方まで学ぶことができます。そして実際の現場でどんな接し方をしたらいいのか、からだと心の両面から、子どもたちや保護者の方々の気持ちを汲んだ療育ができるよう具体的な指導をします